すべての士に、身分の貴い、賤しいはない。主君となり、従者となって、互いに頼み合ってこそ、世は立つ習いである。だから、大事の時は身を捨てて忠義をなすのだ。汝らは我をば親と思われよ。我は汝らを子と思わん。
水野勝成
下級武士は金十両で馬を買おうとするなら、五両の馬を買うべきである。惜しげもなく、五両の馬を乗り回し、飛び下り、乗り放ち、戦いの好機には捨てるのがいい。そして残った五両でもう一度馬を買えばいいのである。このことは馬に限らず、ほかのことにも当てはまる。
運不運が武功にはあるもの。そなたが弱い者でないことは、我が見定めている。明日の戦いに出る際、そそのかされて抜け駆けなどして討ち死にしてはならぬ。それは不忠というものぞ。身をまっとうして、この道雪の行く末を見よ。お前たちを打ち連れているからこそ、かくのように年老いても敵の真ん中に出られ、ひるんだ様子も見せないのだ。
※道雪は武功を立てていない武士に対しても、酒を飲み交わしながら励まし、常日頃から心遣いを欠かさなかった。
すでに時を失いぬ。
※石田三成の重臣、島左近は徳川家康を討つならば早い時期がいいと献策したが、三成がそれを取り合おうとしなかったため機会を逸し、関ヶ原の合戦を前にしてこの言葉を述べるに至った。
人はたださし出づるこそよかりけれ 軍の時も先がけをして
《出(い)づる 軍(いくさ)》
※いつも前へ出ればいい。そして戦のときも先駆けるのだ。