ソローの名言
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細部を気にしていると、人生は少しずつ浪費されてゆく。心を素直にすれば、両手の指十本でたいていのことは足りる。それでも足りない時は、両足の指を加えて、あとは一まとめにすればよい。単純化、単純化、単純化せよ!物事は二つか三つ数えればよい。百や千では多すぎる。百万でなく半ダースで十分だ。計算は片手の親指の爪に書きとめておくのだ。現代の文明生活という風向きの定まらぬ海の真ん中は、雲や嵐や流砂や、その他数々の出来事にさらされる。無駄な勘定に明け暮れて道を失い、目的地に到着することができなくなる破目に合いたくなければ、計算力にすぐれた者になることだ。単純化、単純化、単純化……。
われわれはどうしてこんなに先を急ぐのだろうか。どうしてこんなに暴走するのだろうか。人と歩調の揃わないのは、行進曲の調子が自分に合わないせいかも知れない。どんなリズムであろうと、どんなに遠くで演奏していようとかまわない。自分に合った音楽が聞こえるところまで足を踏み出そう。
たとえ善意と協調と思いやりの限りを尽くしても、まだ友情と呼ぶには十分ではない。友人同士は、世間の言うように単に調和(ハーモニー)だけに生きるものではなく、メロディーに合わせて生きるものであるからだ。われわれは友人に食事や衣服や健康の心配をしてもらおうとは、思わない――そうしたことは隣人たちでもやってくれるだろう。これと同様のつとめを、われわれの魂に対して果たしてほしいのだ。
私はかつて孤独ほど仲のよい仲間を見出したことがない。
ウォールデン森林の生活
世間の意見がいかに乱暴なものでも、自分自身の意見の振るう暴力に比べれば、ものの数ではない。自分自身をどう考えるかによって人の運命は決定される、あるいは暗示される。