自己の向上を心がけている者は、喧嘩などする暇がないはずだ。おまけに、喧嘩の結果、不機嫌になったり自制心を失ったりすることを思えば、いよいよ喧嘩はできなくなる。こちらに五分の理しかない場合には、どんなに重大なことでも、相手に譲るべきだ。こちらに十分理があると思われる場合でも、小さいことなら、譲ったほうがいい。細道で犬に出合ったら、権利を主張して咬みつかれるよりも、犬に道を譲ったほうが賢明だ。たとえ犬を殺したとて、咬まれた傷は治らない。
弁護士になろうとしっかり心に決めれば、それだけで目的は半分達成されたも同然である。……きっと成功してみせる、と決心することが、何よりも重要だということを、常に銘記すべきだ。
どんな人間でも、完全な嘘つきになれるだけの優秀な記憶力は持ち合わせていない。
性格は樹木のようなものであり、世評はその影のようなものである。影はそれについてわれわれが考えるものであり、樹木は真物である。
何も語る事柄がない時にも、困惑することなくしゃべることができるほど、人間的に大成できているとは決して思わない。