昔から国を奪うのは皆、重臣であるという。明君賢主は重臣に権限を持たせず、自ら将士を率いるもの。もし重臣に権限を持たせれば、その下に仕える者たちは、功労によって禄を得ても、これは主君からもらったものと思わず、重臣のとりなしと思う。そうなれば主君はかすんで、重臣だけが目立ち、重臣の権勢は強くなり、国中の士は重臣に心寄せるようになってしまう。
お前たちを追々(おいおい)に服従した国に差し向けるが、『その地方の者をあなどる者は、決してその地方の君となることはできぬ』という言葉を忘れてはならない。
※中国を平定した元就は、諸将を集め、こう言って力だけでは国を治めることができないということを諭した。
儒道を学び、文学を好むのは、物事の道理を知るためである。しかし、詩歌に戯れて、自分の道を忘れてはならない。
武者たる者はまず武道を優先し、それから諸々の芸能を習うならば、儒仏詩歌管弦ともに、我が身を助けるものとなろう。だが武者が武者たる基本を忘れれば、諸芸は害となる。
吉田物語
国に法度を立てることは、すなわちわが心の邪正賢愚を表す道である。無道の法を置けば亡国の発端となる。その国に入ってその政治を聞けば、国主の心を知ることができる。
永禄聞書
一芸もいらず、能もいらず、遊もいらず、履歴もいらない。ただ日夜ともに武略、調略の工夫をすることこそ肝要である。