加藤嘉明の名言
Wikipedia
威勢がよく勇気ある者は、目を驚かすほどの働きをするが、それだけのことで、本当の武功を立てるのは律義な者である。
人におもねり機嫌を取る人間は、一時は抜群の勇気を奮うが、信用ならぬ。へつらって上の者に可愛がられ、高禄を得て、後ろ指をさされることぐらい、本人もよくわかっている。わかっていて自らを欺くのは、恥を顧みない者である。恥を顧みない者は主人を殺してでも、自分を利することをやる。偽りと欲とは品は変わっても、つきつめれば同じである。
その士は主君のために死を顧みなかった者だ。我が陣の備えを怠らなければ、あの者は予を窺(うかが)うことはできぬ。殺しても殺さなくても勝敗に関係がない。命を助けてやれ。

※関ヶ原の戦いを前にして、自陣に忍び寄る曲者に対して加藤嘉明が言った言葉。死を惜しまず主君のために働く律義者と判断して逃がしたのである。
近頃は大名家に武名を売り歩いて、仕官を願う者が増えているが、こうした者たちは肝心な忠義に乏しい。これを高禄で雇い入れ、大名家の飾りにするようだが、そういう大名家は前途が危うい。なぜかといえば、偽りが真実に勝ってしまうからである。
「善仁を以って宝となし、金玉(きんぎょく)を以って宝となさず」という教えがある。これは王侯、また将軍、宰相といった身分高い人にあてはまるのであって、我らごとき者は「善人を以って宝となし、また金銀を以って宝とす」というのがよい。

※善仁といった道徳よりも、兵を率いる武将には、人と金の方が大切であるという、非常に現実的な言葉。
前のページ      次のページ