若者は自分の受ける教育の結果をあれこれと思い悩んではならない。もし毎時間を真剣な気持ちで勉強するならば、あとは成り行きに任せておいても安心である。どんな学問分野を選ぼうと、ひたすらに努力を続ければ、いつかは同世代のすぐれた代表者として、勝利感にひたれる輝かしい朝がくる。
何事にも動じない決断力ほど、気概のある人間を作り出す要因はおそらくあるまい。将来、大人物をめざす若者や、死後なんらかの点で大人物に数えられたいと願う若者は、単に数知れぬ障害を克服する決心をするだけでは駄目だ。数知れぬ拒絶と敗北に出合っても、障害を克服してみせる決心が必要である。
身分の高い低いにかかわらず、老いたる者を見下げて軽んじてはならぬ。古語にいう。老いたる者は父母のごとく敬え。
少年老い易く学成り難し 一寸の光陰軽んず可からず
《可(べ)からず》
※年月はすぐに過ぎてしまうのに、学問はそう簡単には身に付かない。少しの時間でも無駄にするべきではない。
フォード家の人間は揃いも揃ってよく似ている。だが何から何まで瓜二つという人間はこの世には二人といない。新しい生命の誕生は、何かこれまでと違った新しいものの誕生である。これと完全に同じものはかつて存在しなかったし、今後も決して存在しない。若者は次の考えをしっかり掴むことだ。自分を人と違ったものにする個性の火花をただ一つでも探し出して、全力を尽くして育てあげることだ。社会と学校は、この火花を若者から閉め出そうとするだろうし、誰もかれも一まとめに同じ鋳型に押し込めようとするだろう。だがこの火花を失ってはいけない。自分の価値を主張するための、ただ一つの権利だから。