人生を楽しむべき時は今現在だ――明日や、来年や、まして死後の来世において人生を楽しむことはできない。一段と実りある来年の生活に備えるための最上の時は、充実した、完全に調和のとれた、楽しい今年の生活なのだ。豊かな未来を作るという信念は、豊かな現在を作るという信念を持たない限り、大して価値がない。今日こそ、常にわれわれの最上の日であるべきだ。
時は言葉で言い尽くせぬほどすばらしい万物の素材である。時があればすべては可能である、なければ何ものも不可能だ。時が毎日われわれに供給されるさまは、よく考えてみれば、まさに目を見張るような奇蹟だ。
朝、目がさめる。そら!君の手には、君の「人生」の大宇宙でこれまで織られたことのない、二十四時間という織糸がにぎられている。今や君はこの世で最も貴重な財宝を、自由にできるのだ。
この毎日毎日の二十四時間こそ、君の人生の糧である。その中から君は健康を、楽しみを、収入を、満足を、人からの尊敬を、――そして君の不滅の魂の発展を織り出すのだ。これを正しく、最も効果的に用いることは、最もさし迫った、最も胸躍らせる現実である。すべてはこれあってこそ可能である。君の幸福だって、これあってこそ可能である。
この、今手にしている「時」以外には、「時」は決して手にできない。今も、そしてこれまでも、われわれは現在手にしている「時」しか持たないし、また持たなかったのだ。
アーノルド・ベネット
常に現在の時間にしっかりしがみつけ。刻一刻過ぎて行く時間には、無限の価値がある。……私は現在に自己のすべてを賭けている――一枚のトランプに人が大金を賭けるように。私は現在をそっくりそのままで、できるだけ高価なものにしようと努力しているのだ。
今ここで征服できない時間は、永久に征服できない。今ここで楽しめない人生は、永久に楽しめない。今ここで賢明な生活を送らなければ、永久に賢明な生活はできない。過去はもはや存在せず、未来は誰にもわからないのだから。
時の真の価値を知れ。引っつかめ。抑えつけろ。そしてその瞬間瞬間を楽しめ。怠けず、だらけず、ぐずぐずするな。今日できることを明日にまで延ばすな。
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