にっこりするコツおよびその効果を考えよう。まず世間や人々に本当に誠意をもって対さねばならない。この心がけがなければ、にっこりしても不自然にしか見えない。だが人前ではいつもにっこりするよう心がけるだけでも、けっこう役に立つ。ほほ笑みかけられた相手が幸福になり、その幸福がブーメランのように、こちらへはね返ってくるからだ。相手の気分がよくなれば、こちらの気分もよくなり、間もなく笑顔が本物になる。
また、にっこりすると、不快な気持ちやよそよそしい気持ちが抑えられる。にっこりほほ笑みかければ、相手が好きだということを、それとなく伝えることになる。相手にもその気持ちが伝わり、こちらが好きになる。まあ一ぺんにっこりする習慣をつけてみたまえ。きっといいことがあるはずだ。
幸福への道はただ一つしかない。それは、意志の力でどうにもならない物事は悩んだりしないことである。
自分自身の存在を夢のように楽しむ者、あらゆるものを自分の心に照らして見、そして信念と希望を頼りに進む者、若かりし日の彼の行手を照らした星は、いまだに遠くから彼を見守り、いまだに俗世間の魂にその心を汚されていない者――そうした人間は何と幸福だろうか!
本当に幸福になれる者は、人に奉仕する道を探し求め、ついにそれを見出した者である。これが私の確信である。
人間は、自分で努力して得た結果の分だけ幸福になる。ただしそのためには、何が幸福な生活に必要であるか知ることだ。すなわち簡素な好み、ある程度の勇気、ある程度までの自己否定、仕事に対する愛情、そして何よりも、清らかな良心である。今や私は、幸福は漠然とした夢ではないと確信している。経験と思考を正しく用いることにより、人間は自分自身から多くのものを引き出すことができる。決断と忍耐により、人間は自分の健康を取り戻すことすらできる――だから人生をそのあるがままに生きよう。そして感謝を忘れないようにしよう。
ジョルジュ・サンド