相手と意見が食い違う時は、敵意をむき出しにしないで、相手を敬愛している気持ちを、表情にも行動にも言葉にも表わすよう、努めることだ。
ポール・ダグラス上院議員
相手は間違っているかも知れないが、彼自身は、自分が間違っているとは決して思っていないのである。だから、相手を非難しても始まらない。非難は、どんな馬鹿者でもできる。理解することに努めねばならない。賢明な人間は、相手を理解しようと努める。相手の考え、行動には、それぞれ、相当の理由があるはずだ。その理由を探し出さねばならない――そうすれば、相手の行動、さらには、相手の性格に対する鍵まで握ることができる。本当に相手の身になってみることだ。
人を動かす秘訣は、この世に、ただ一つしかない。この事実に気づいている人は、はなはだ少ないように思われる。しかし、人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、自ら動きたくなる気持ちを起こさせること――これが、秘訣だ。
重ねて言うが、これ以外に秘訣はない。
もちろん、相手の胸にピストルを突きつけて、腕時計を差し出したくなる気持ちを起こさせることはできる。従業員を首きりでおどして、協力させることもできる――少なくとも、監視の目を向けている間だけは。鞭やおどし言葉で子供を好きなように動かすこともできる。しかし、こういうお粗末な方法には、常に好ましくない跳ね返りがつきものだ。
人を動かすには、相手の欲しているものを与えるのが、唯一の方法である。
他人に変わって欲しければ、自ら率先して変化の原動力となるべきだ。
なぜ自分の愛犬をしつける時に用いるのと同じ方法を、人間に応用しないのだろう。なぜ鞭の代わりに肉を、批評の代わりに賞讃を用いないのだろう。